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【2023年6月3日】岸政彦さん、打越正行さんとのトークイベント「エスノグラフィー/生活史を書き、読む」(@UNITÉ)を開催しました。

 岸政彦さん、打越正行さんと私の3人で、『タイミングの社会学』刊行イベント「エスノグラフィー/生活史を書き、読む」(@UNITÉ)を開催しました。会場、オンラインで多くの方に参加いただき、ありがとうございました。

出版社(青土社)による本件の企画情報を掲載します。(元情報はこちらhttp://www.seidosha.co.jp/topics/index.php?id=786&year=2023)

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三鷹 UNITÉ
石岡丈昇×岸政彦×打越正行
「エスノグラフィー/生活史を書き、読む」
石岡丈昇『タイミングの社会学——ディテールを書くエスノグラフィー』刊行記念

石岡丈昇さんによる『タイミングの社会学――ディテールを書くエスノグラフィー』が5月下旬に刊行されます。

本書の刊行を記念して、石岡さんと同じく社会学者の岸政彦さんと打越正行さんとともに、エスノグラフィー/生活史を書くことと読むことについて、議論を重ねていただきます。
『タイミングの社会学』は、フィリピン・マニラの貧困地区を舞台とするエスノグラフィーです。例えば本書には、明日家を失うかもしれない――しかし本当に政府通達通り撤去が行われるのかすらわからない――人びとが登場します。「Xデー」がいつ来るのかわからず、自分自身で自分の予定を立てることができないまま、相手の出方を窺いながら日々を過ごし、疲労感だけが蓄積されていく……言ってみれば「タイミングの自己決定」を奪われる人びとのサバイバルのありかたがここに描かれていきます。

本書にはまた、エスノグラフィーの名著も多く紹介されています。地中海に浮かぶサルディーニャ島の住人や、ボリビアの先住民族、ブエノスアイレスの環境汚染地域で暮らす人びとの姿……それらを読み込むことは、マニラを生きる人びと、ひいては日本に生きる私たちのあり方を理解し、言葉をつくる営みに繋がっていきます。
フィールドで遭遇し、思考し、書き記し、またそれらを読み継ぐこと。ここにディテールから立ち上がる、社会学の理論と実践が浮かび上がるのです。

今回のイベントでは、沖縄を中心としたフィールドワークをすると同時に、『東京の生活史』(筑摩書房)や『沖縄の生活史』(みすず書房)などで、生活史をともに聞き書く実践を行ってきた岸政彦さんと、『ヤンキーと地元』(筑摩書房)で暴走族のエスノグラフィーを描き出しながら、沖縄の歴史や社会構造と暴力の問題を考えてきた打越正行さんをゲストにお迎えします。
まったく異なるフィールドで出会った人びとの経験が、どこか重ね合わされて浮かび上がってくるのはなぜなのか――。それぞれのエスノグラフィー/生活史の書き方や読み方について縦横無尽に語りつくす貴重な一夜となります。どうぞ奮ってご参加ください。

出演者 : 石岡丈昇 岸政彦 打越正行

開催日時 : 17:00~18:30 (延長の可能性あり)