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【2023年6月30日】田中東子さんとのトークイベント「壊れゆく社会のなかで、それでも希望の言葉を見出す」(@代官山蔦屋書店)を開催しました。

 『クリエイティブであれ——新しい文化産業とジェンダー』(A.マクロビー著、花伝社)と『タイミングの社会学——ディテールを書くエスノグラフィー』(石岡丈昇著、青土社)の2冊の刊行を記念して、私と田中東子さんで対談をおこないました。
 
 イギリスやドイツにおけるファッション産業で働く人々をめぐるマクロビーの本と、マニラの貧困世界に生きる人々を記した私の本では、一見、まったく異なった世界を論じているように見えますが、両者を貫くさまざまな共通の問題が見えてくる貴重な機会でした。

 終了後の打ち上げも楽しかったです。以下、本企画についての出版社(青土社)の情報です。(元情報はこちらhttp://seidosha.co.jp/topics/index.php?id=802&year=2023)

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代官山蔦屋 
田中東子×石岡丈昇 「壊れゆく社会のなかで、それでも希望の言葉を見出す」

この度、アンジェラ・マクロビ―著/田中東子監訳、中條千晴・竹﨑一真・中村香住訳『クリエイティブであれ――新しい文化産業とジェンダー』(花伝社)と、石岡丈昇著『タイミングの社会学――ディテールを書くエスノグラフィー』(青土社)を刊行いたしました。これら2冊の刊行を記念いたしまして、田中東子さん、石岡丈昇さんとともに刊行記念イベントを行います。

ファッション業界やメディア業界、デザイン業界など、「クリエイティブな産業」で働く人びとが、「成功者」のキラキラした働き方とともに見せつけられる「自由」で「自己実現」が叶う働き方。しかしその実は、多くの人びとがフリーランスとしてクライアントの顔色を窺い、マルチタスクを必死にこなしてなんとか日銭を稼いでいる――。このような労働環境について、フェミニズムの視点から批判的に論じた『クリエイティブであれ』。

暴力と貧困に晒される世界で、いつ自宅が政府による強制撤去の対象とされるかわからない。家族が離散し、仕事を失う可能性のある「Xデー」はいつなのか――。フィリピン・マニラのスラム街を舞台に、「タイミングの自己決定」を奪われ、待ち続け、そして疲労し、それでも明日を生きる人びとのサバイバルのありかたが描かれる『タイミングの社会学』。

これら2冊は、まったく違う世界を描いているようでいて、実はさまざまな共通点をもっています。そのキーワードは「エンパワメント」「クリエイティビティ」「起業家/アントレプレナー」「フェムテック」「レジリエンス」などなど……。私たちがどのような社会に生きているのか、これらのキーワードなどをもとに思考を紡ぎます。それぞれの現場でもやもやしながらも頑張り続けるみなさんとともに、言葉を取り戻すトークイベントです。どうぞお楽しみに!

出演者 : 田中東子 石岡丈昇

開催日時 : 2023年6月30日(金) 19:00~20:30(15分前より入場/接続可能です)